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通信講習用船舶電気装備技術講座 [レーダー] 機器保守整備編

はしがき

   レーダーが船舶の航行安全上、欠かすことのできない機器であることは誰でもが認めるところであって、そのため、船舶安全法によっても、その設置が義務付けられている。しかし、いまや設置義務の有無にかかわらず、小さな漁船やボートに至るまでの、ほとんどの船舶に装備されているのが現状である。
   だが、これだけ普及しても、レーダーが高度の電子機器であることに変わりはなく、その装備方法や取扱いを誤ると所期の性能を発揮することはできない。
   このため、本書はレーダーについての原理、取扱い、調整、保守等について解説し、その理解を深められるようにしてある。各位は本書を学習することによって、より完全な作業ができるようにして頂きたい。

主要目次

1 レーダーの基礎

レーダー(Radar)とPPI
マイクロ波の伝搬
レーダーの周波数と電波の型式 
パルス

2 レーダーの性能

レーダーの性能概説
レーダーの最大探知距離
レーダーの最小探知距離
レーダーの距離分解能
レーダーの方位分解能
LCD表示器化に関して
レーダー映像の鮮明度(輝度とコントラスト)
特殊な映像

3 レーダー用の特殊電子管・表示器・半導体及びマイクロ波伝送回路

マグネトロン(磁電管)
マイクロ波集積回路(MIC)
変調用の電子管と半導体
送受切替管
ブラウン管
固体表示器 
マイクロ波伝送回路

4 レーダーの構成と動作

構成と動作の概要
送信機
送受切替え部
空中線と導波管
受信部
表示器(指示器)
アンテナと表示器の同期
自動電圧調整器
従来のレーダーのブラウン管でのPPI表示方式
ラスタスキャン型レーダーでの表示方式
最近の船舶用レーダーの構成と動作の概要

5 レーダーの付属装置

真方位装置
真運動装置(トルーモーション装置)
干渉除去装置
円偏波空中線 
プロッティング設備
レーダー・パフォーマンス・モニタ

6 プロッティング機能付レーダー(ARPA、ATA、EPA)

プロッティングと相対速度
レーダー映像の表示方法による分類
プロッティング機能
システムの基本概念
システム構成
性能の現状

7 各部の取扱いと調整の要点

表示器の外観及び操作つまみなどの配置
主な操作箇所の機能
レーダー映像の調整
基本的な操作方法
主要操作つまみの調整位置と映像との関係
カーソルの使い方
操作上の個人差
制御及びTT(ARPA)表示のシンボル記号

8 点検整備と保守上の注意

一般的保守と点検
各ユニットごとの点検と保守整備 
主要部品の交換と交換の際の注意

9 故障対策

故障の早見表
各ユニットの内部