ClassNK 構造用接着剤使用のためのガイドラインを策定
=電装工事での接着剤使用を促進する当会も協力=


 2015年12月、一般財団法人 日本海事協会(ClassNK)は、造船における構成材料の接合方法について、
船体主要構造部を除く材料、艤装品の接合部を中心に相当の範囲で構造用接着剤の使用が可能であるとする
「構造用接着剤使用のためのガイドライン」を策定、公表しました。

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 同会では2012年に既に強化プラスチック製船舶における接合方法について強化プラスチック船規則を改正し、
構造用接着剤を承認しておりましたが、2015年に、鋼・アルミニウム製船舶においても、構造用接着剤の使用
による作業環境の改善、軽量化或は作業量の合理化等が期待されるものとして、必要な要件策定の作業を行いま
した。
 
 本作業には、当会(2004年度に船舶電装工事における接着剤使用について調査実績有り)も全面的に協力しま
した。

 当会では2004年度に、航空機、鉄道車両、自動車等で広く使用されている接着剤を使用して、船舶の電装工事
の安全性向上、コスト低減、工事の合理化を目的とする調査研究を実施し、良好な結果が得られたことから、各
地で啓蒙、接着剤使用をPRしてまいりました。

(調査内容)接着剤は2液常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤、部材はフラットバー、三角台、コーミングの3種類、
      接着部材は鉄(SS400)、アルミの2種類、接着母材は鉄(SS400)、アルミ、FRPの3種類により、
      接合の引っ張り強度試験、実船による振動実験を実施。

 また、2013年には、当会の調査研究を参考にして、北海道運輸局函館運輸支局管内の造船所で建造船舶の電気
艤装工事に接着剤が使用されるなど、船舶においても徐々に接着剤が使用されはじめています。